- アコースタソニック・テレキャスターってどんなギター?
- どんな音がするの?
- 評価・評判についても知りたい。
この記事では、上記の悩みや疑問を解決する内容になっています。
なぜなら、アメリカン・アコースタソニック・テレキャスターについて調べて分かった特徴や機能、どんな音がするのか、評価や使い方をギター歴24年/ブロガーの筆者リュウが分かりやすくまとめて紹介しているからです。
記事の前半でアメリカン・アコースタソニック・テレキャスターの概要、特徴や機能について紹介し、後半でサウンドについてと、評価評判、基本的な使い方について解説しています。
この記事を読み終えると、このギターが「アコギ」と「エレキ」のどちらにもカテゴリー出来ないけど、そのどちらにでもなれる新機軸のギターで、これ1本で複数のタイプのアコギサウンドとフェンダーサウンドが手に入り、活動の幅が広がることが理解できます。
アメリカン・アコースタソニック・テレキャスターとは?
Fender American Acoustasonic Telecaster(フェンダー・アメリカン・アコースタソニック・テレキャスター)は2019年に発表された、これまでのエレアコとは違いソリッドギターと同様のボディサイズなのに本格的なアコギサウンドとエレキサウンドが得られる、どちらにでもなれる新機軸のギターです。
ボディ中央にあるホールは普通のものとは違い、このギターのために開発された特許取得済の新技術「SIRS(Stringed Instrument Resonance System)」というものになっています。
「SIRS」はボディ内の空気の流れを制御していて、生音の時点で本物のアコギサウンドが作られる仕組みとなっています。「滝」にインスパイアされたというデザインも◎ですね!
このモデルには、アコギ用ピックアップの開発・販売で長い歴史を持つブランド「FISHMAN(フィッシュマン)」と共同開発した3つのピックアップが搭載され、「Modノブ」や「Voiceセレクター」といったコントロール類が採用されています。
これによってアコースタソニック・テレキャスターは複数の別モデルのアコギサウンドとフェンダー・サウンドを一度に手に入れられます。それはあらゆるプレイスタイルに対応できることも意味していますね。
5WAYセレクターと「Modノブ」の組み合わせで、サウンドバリエーションが無限に拡がります。
とても軽量で扱いやすくコンター加工やヒールカットによって演奏性も高いです。アメリカン・アコースタソニック・テレキャスター最先端のアコギでもあり最先端のエレキギターでもある、全く新しいタイプのギターです。
機能や特徴、仕様について
フェンダー・アメリカン・アコースタソニック・テレキャスターの特徴や機能、スペックについて詳しく見ていきましょう。
基本スペック
まずは基本スペックを確認しておきましょう。
ボディ材/Side&Back | マホガニーサイド&バック | ボディ材/Top | シトカ・スプルーストップ |
ボディシェイプ | モディファイ・テレキャススターシェイプ | ボディフィニッシュ | ウレタンフィニッシュ(艶無し) |
ネック材 | マホガニー | ネックフィニッシュ | ウレタンフィニッシュ(艶無し) |
ネックシェイプ | モダン “Deep C” | ネックスケール | 25.5″ (648 mm) ロングスケール |
指板材 | エボニー | 指板R | 12″ (305 mm) |
フレットサイズ | ナロートールフレット | フレット数 | 22 |
ピックアップ | アンダー・サドル・ピエゾ、インターナル・ボディ・センサー、N4マグネティック | コントロール | ボリューム、Modノブ、5WAYボイスセレクター |
ブリッジ | モダン・アシンメトリカル | ペグ | フェンダー・スタンダード・キャスト/シールド・スタガード |
ナット幅 | 42.86 mm | ナット材 | Graph Tech® TUSQ® |
ネックジョイント | ボルトオンジョイント | ハードウェア | クローム |
ボディ構造・形状
ボディ構造は、ボディバック材のマホガニーの内側を全体にわたってくりぬき、そこに音の伝達と強度を増すブレイシング(力木)を施し、シトカ・スプルースのトップ材で蓋をするという構造になっています。
ボディ内部は全体的に空洞となっており、そこに特許取得済の新技術「SIRS(Stringed Instrument Resonance System)」が組み合わさることで自然なアコギサウンドが得られるようになっています。そしてハウリングにも強いです。
ボディ形状については、テレキャスターシェイプにコンターが施されています。これによって抱えたときのフィット感が向上し、演奏性の向上に一役買っています。
アコギらしいブリッジも好印象ですね。
ネック・指板
ネックにはマホガニー材が使用されており、ネックシェイプは若干太めのモダン”DEEP C”、フレットにはナロー・トールフレットが採用され指板材はエボニーが使用されています。
材質を除いてネックの仕様は、アメリカンプロフェッショナルⅡシリーズと同じになっています。ナット幅はアメプロⅡは42.8 mm、アコースタソニック・テレキャスターの方は42.86 mmと若干の差ではありますが幅が広いです。
指板Rについては、ギブソン標準の12R (305 mm)となっておりアメプロⅡの9.5R (241 mm)と比べると平面になっていることから弾き心地も若干異なったものとなっています。
弦高も低いので「アコギは弦高が高くて弾きづらい」といった人にも扱いやすくネックヒール加工によってハイポジションも弾きやすいです。ペグは各弦によってポストの高さが異なった「スタガード仕様」となっていてテンションピンを必要としません。
サウンドについて
アメリカン・アコースタソニック・テレキャスターのサウンド面について詳しく見ていきましょう。
3種類のピックアップ
アメリカン・アコースタソニック・テレキャスターには、このシリーズのために用意された下記3つのピックアップが搭載されています。
名称 | 役割 |
Fenderアコースタソニック・ノイズレス・ピックアップ | このギターの為にデザインされたアコギからエレキギターサウンドが出せるマグネティックピックアップ。 |
Fishmanアンダーサドルトランスデューサー | ブリッジサドルの下に取付けられたFishmanのピエゾピックアップ。 |
Fishmanアコースタソニック・エンハンサー | ボディトップの振動を捉え、ボディを叩く「スラム奏法」などに対応するためのピックアップ。 |
エレキギター用のアンプを使っても、しっかりアコギサウンドが得られるよ!
5way ボイスセレクター + modノブ
アコースタソニック・テレキャスターには、ドレッドノートやフォークタイプ、異なった材構成によるアコースティックギターサウンドが5ウェイセレクターの各ポジション毎に用意されています。
さらに、「Modノブ」というコントロールノブを使うことで各ポジションに用意されたサウンドに他ポジションのサウンドをブレンドすることで無限のサウンドバリエーションを生み出すことが可能です。
アコースタソニック・テレキャスターではポジション1がエレキギターで言うリアポジション、ポジション5がフロントポジションに相当しています。ボリュームノブは基本サウンドの音量、Modノブでブレンド具合の調整を行います。
各ポジションには基本的なサウンドキャラを表す名称が設定されており、ブレンドされる音色も決まっています。それについては下記の表のとおりになっています。
セレクターポジション:名称 | ボリュームノブ(A) | Modノブ(B) | 音色の特徴 |
1:ELECTRIC | クリーン | ファット/セミクリーン | エレキギターサウンド |
2:ACOUSTIC & ELECTRIC BLEND | シトカ・スプルース、マホガニー・ドレッドノート | エレクトリック・ブレンド | 一般的なアコギサウンドにエレキサウンドをブレンド可能 |
3:PERCUSSION & ENHANCED HARMONICS | シトカスプルース、ブラジリアンローズウッド・ドレッドノート | ボディー内部のエンハンサー・ピックアップ追加 | 高級アコギサウンドにスラム奏法が引き立つ要素をブレンド |
4:ALTERNATIVE ACOUSTIC | イングルマンスプルース、メイプル・スモールボディ | シトカスプルース・ドレッドノートサウンドをブレンド | ミニサイズのアコギのような鳴り・音量が抑えられた繊細な響き。ブレンドすると低音域をブースト。 |
5:CORE ACOUSTIC | シトカスプルース、ローズウッド・ドレッドノート | アルパインスプルース・オーディトリアム | フルサイズの定番アコギサウンド、中音域をブースト。 |
因みに「ドレッドノート」っていうのは、アコギのボディタイプやサイズのことです。標準的なサイズのドレッドノート、エリック・クラプトンが愛用するのは「000トリプルオー」、エド・シーランが愛用しているのが「パーラーサイズ」だよ。
評価・評判について
数々の有名アーティストがこのギターに初めて触れた時のリアルな反応をお届けしている企画”UNBOX the FUTURE”にて、「これを使って色んな事がしたくなる」「この見た目からこんなサウンドが出るなんて驚いた。でも面白い」という好印象な感想を述べています。
このギターに触れることで色んなアイディアやインスピレーションが沸いてくるようです。
普通のアコギがでかすぎると感じる人にはうってつけだと思います。一つ気になる点としてはハウリングに強いはずなのに、どの動画でも割とハウリングを起こしています。少し慣れが必要なのかも知れないです。
基本的な使い方
アコースタソニック・テレキャスターの基本的な使い方を確認しておきましょう。
- 使用するアンプはエレキギター用のアンプでOKです。
- 基本的にクリーンチャンネルで使用することが推奨されます。
- このギターをアンプなどで使用するにはプリアンプの充電が必要です。
- 充電はシールドジャックの上にあるUSB端子を使って行います。
- フル充電で約20時間使用可能。
- 充電中に演奏する事も可能。
- ギターケーブルを差し込むとジャック上部のLEDが一度点滅し、使用開始を示します。
- USB to Micro USBケーブルをUSB充電器に繋げて家庭用コンセントで充電します。
- フル充電には4~5時間を要します。
まとめ
最後にまとめておきます。
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既にほかのシェイプも発表されており、このタイプのスタンダードモデルとなるのか? いずれにしろ一度は手に取っておきたいギターですね。充電時間の短縮など機能やコスパの向上といったところも期待されますね。
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