
- ストラトとレスポールの違いについて知りたい
- どちらを買うかで迷っている
- エレキギターの知識を付けたい
この記事では、上記の悩みや疑問を解決する内容になっています。
なぜなら、エレキギター歴23年でストラトキャスターとレスポール共に所持していた、当ブログ管理人のリュウが両モデルの違いを各部位・パーツごとに分けて説明しているからです。
記事の最初に両モデルの、これだけは知っておきたい基礎知識を紹介し、その後からは、各部位・パーツごとの違いを比較していきます。
この記事を読み終えると、フェンダー・ストラトキャスターとギブソン・レスポールの違いが分かるようになります。
※レスポールは一般的な作りの「レスポール・スタンダード」を比較対象にします。以下レスポールと記載します。
ストラトキャスターとレスポールの基礎知識
「フェンダー(Fender)」は会社の名前で、「ストラトキャスター」は製品名です。商標登録しているのでフェンダーと同社が保有する廉価版モデルを扱うスクワイヤ(Squier by fender)だけが使用できる名称です。その他のメーカーは同じ形でもこの名称を製品に使用できません。
他メーカーの同じ形をしたものは「ストラト・タイプ」と呼ばれています。
「レスポール」は「ギブソン(Gibson)」という会社が開発したエレキギターの製品名です。こちらも商標登録しているのでギブソン社と傘下にあるエピフォン以外はこの名称を使うことは出来ません。他メーカーの同じ形をしたものは「レスポール・タイプ」と呼ばれています。
会社名(ブランド名) | 製品名 |
フェンダー/スクワイヤ | ストラトキャスター |
ギブソン/エピフォン | レスポール |
どちらもエレキギターの王道モデルであり、もう一つフェンダー・テレキャスターも含め、各ギターメーカーが出すオリジナルモデルの原型となっています。また多くのメーカーが高い技術力を示す証明としてコピー・モデルを製造しています。
二本の違いを比較!
両方ともエレキギターですが、その構造は全く違います。それを見ていきましょう。
ボディの違い
使用する木材の違い
ストラトキャスターのボディ材は、「アルダー」か「アッシュ」という木材のどちらかであるのが一般的です。レスポールの場合は、「メイプル」と「マホガニー」とという2種類の木材を貼り合わせて作られています。
材による音の違い
音を言葉で表現するのは難しいことなので、あくまで参考までに捉えてもらえると幸いです。
アルダー材は高域から低域までバランスが良く出音され安定している、また「枯れた音」とも言われます。
アッシュ材は、輪郭のハッキリした高域と低域が特徴的なサウンドだと言われています。
マホガニー材は、中低域に特徴があり暖かみのある音、メイプルはアタックの強い輪郭のハッキリした音、この2種類の木材を張り合わせることでバランスが良く力強いサウンドになります。もう一つの特徴として、マホガニーにはハムバッカーが良く合います。
カッタウェイの違い
カッタウェイとは、ネックとボディ接合部サイドのU型にカットされている部分のことを言います。ストラトキャスターは両サイドカットされているので「ダブルカッタウェイ」、レスポールは片側(高音弦側)のみカットされているので「シングルカッタウェイ」と言います。
モデル名 | ボディ材 | 音の特徴 | カッタウェイ |
ストラトキャスター | アルダー | バランスが良い | ダブルカッタウェイ |
アッシュ | 輪郭がッハキリとした高域と低域が特徴 | ダブルカッタウェイ | |
レスポール | メイプル+マホガニー | 暖かみ+ハッキリ=力強い音 | シングルカッタウェイ |
ブリッジの違い
ブリッジについても全く別のものが取り付けられています。
シンクロナイズド・トレモロユニット
特徴は「アームバー」を使うことでブリッジ側で音程に変化を加えられることです。それによって「アーミング」という奏法が可能になります。欠点は変化を加えられる構造ゆえに、チューニングの不安定さが増すことです。
ストップテールピース&チューン・オー・マチック
ブリッジが2つのパーツで成り立っています。こちらは固定されているので音程に変化を加えることは出来ません。しかし、その分チューニングの安定度が高いです。そういう理由からこのタイプを選ぶギタリストがいます。
モデル名 | ブリッジの種類 |
ストラトキャスター | シンクロナイズド・トレモロユニット |
レスポール | ストップテールピース&チューン・オー・マチック |
ピックアップの違い
ピックアップとは、弦を弾いた時に音を拾うマイクのような役割を果たしています。
ストラトキャスターにはボディ中央に3つ、レスポールには2つ付いています。ストラトキャスターについているものを「シングルコイル・ピックアップ」、レスポールに付いているタイプは「ハムバッカー」と言います。
シングルコイル・ピックアップの特徴
高域が強調されていて、出力が低いのでピッキング・ニュアンス(音の強弱など)をしっかり表現出来ます。シャキッとした歯切れの良い音作りに向いています。欠点としては、出力が低い=ジャンルによってはパワー不足感を感じることや、ノイズを拾いやすいことです。
ハムバッカーの特徴
2つのコイルで作られたピックアップで低域・中域が強調されるようになります。厚みがあり甘く暖かみのあるサウンドになります。そいてノイズにも強い特性があります。欠点としては出力が高くなっているので細かいニュアンスが出しにくいこと、歯切れの良いサウンドを作りにくいことです。
モデル名 | ピックアップの種類 |
ストラトキャスター | シングルコイル・ピックアップ |
レスポール | ハムバッカー |
サウンドバリエーションの違い
5WAYピックアップ・セレクター
ストラトキャスターには、「5WAYピックアップ・セレクター」という出音するピックアップを5段階に切り替えられるスイッチが装着されていて、「フロント、フロント+センター、センター、センター+リア、リア」の5種類から選択可能になっています。幅広いジャンルに対応できます。
3WAYトグル・スイッチ
レスポールには、「3WAYトグル・スイッチ」という3段階の切り替えが可能なセレクターが装着されています。「フロント、フロント+リア、リア」の3種類から選べます。フロントかリアのどちらかで弾くことが圧倒的に多く、使う目的がハッキリしているように思います。
モデル名 | セレクターの違い | サウンドバリエーション |
ストラトキャスター | 5WAYピックアップ・セレクター | フロント、フロント+センター、センター、センター+リア、リア |
レスポール | 3WAYトグル・スイッチ | フロント、フロント+リア、リア |
ボリューム/トーン・ノブの違い
ボリューム・ノブは音量調節、トーン・ノブは高域を絞って丸みのあるサウンドに変えていく(こもらせていく)ためのコントロールノブです。
ストラトキャスターのコントロール・ノブ
全ピックアップのボリューム・ノブが1つ、フロントピックアップのトーン・コントロール、センター・ピックアップのトーン・コントロールの全部で3つのコントロール・ノブがついています。
レスポールのコントロール・ノブ
フロント・ピックアップのボリューム/トーンコントロールが1つずつ、リア・ピックアップにも同様に1つずつ配置されています。計4つのコントロール・ノブがついています。
モデル名 | コントロール・ノブ |
ストラトキャスター | 1ボリューム、2トーン |
レスポール | 2ボリューム、2トーン |
ネックの違い
ストラトキャスターのネック
ネック材にはメイプルが使用されます。指板材にはメイプルかローズウッドになります。メイプルネック/メイプル指板の特徴はバリンッと鳴って立ち上がりが良い感じですね。ローズウッドは粘り気のある感じで良い具合に音が膨らんでくれて、表情豊かなサウンドになります。
ネック自体の長さにも種類がありストラトキャスターは通常、「ロングスケール」というナットからブリッジまでの長さが648mmになっています。弦のテンションがやや強めで、弦のゲージで調整できますが、チョーキングするのがキツく感じる場合があります。(表記例:25 1/2インチ 648mm)
レスポールのネック
ネック材にはマホガニーが使用されます。指板材はローズウッドです。マホガニー材の暖かみのある特性のローズウッドの粘り気が合わさり、高級ギターに合うリッチなトーンを生み出します。
レスポールのネックは「ミディアムスケール」という、ストラトキャスターより若干短い628mmのものが採用されています。少し短くなることからロングスケールより弾きやすく感じることがあります。
弦のテンションが若干弱くなりますからチョーキングはやりやすく感じるかも知れませんが音のハリが多少弱くなります。(表記例:24 3/4インチ 628mm)
モデル名 | ネック材 | 指板材 | ネックスケール |
ストラトキャスター | メイプル | メイプルまたはローズウッド | ロングスケール |
レスポール | マホガニー | ローズウッド | ミディアムスケール |
ネックジョイントの違い
ストラトキャスター とレスポールは、ボディとネックの接合方法が違います。
ストラトキャスターはネジで留める「ボルトオン・ネック(デタッチャブル)構造」です。特徴はボルト固定なのでネックの取り替えが簡単であること、製造工程が容易であるため、その分値段が安くなること。欠点としては気持ち安っぽくなること(機能的に劣るわけではない)です。
レスポールはボディとネックが接着によって接合される「セットネック構造」です。特徴は高級感があることやサステインに優れることです。欠点としては、製造工程に手間が掛かるため高価になること、ネックの取り替えが容易には出来ないことです。
モデル名 | ネックジョイント方法 |
ストラトキャスター | ボルトオン・ネック(デタッチャブル・ネック) |
レスポール | セットネック |
ヘッドの違い
形状も違いますが、フェンダーのヘッドは片側に6連ペグが取り付けられています。レスポールは両側に3連ペグが取り付けられています。
まとめ
最後にストラトキャスターとレスポールの違いを表にまとめます。
会社名 | フェンダー | ギブソン |
製品名 | ストラトキャスター | レスポール |
ボディ材 | アルダー/アッシュ | メイプル+マホガニー |
カッタウェイ | ダブルカッタウェイ | シングルカッタウェイ |
ブリッジ | シンクロナイズド・トレモロ | ストップテールピース&チューン・オー・マチック |
ピックアップ | シングルコイル・ピックアップ | ハムバッカー |
ピックアップセレクター | 5WAYピックアップ・セレクター | 3WAYトグル・スイッチ |
サウンドバリエーション | フロント、フロント+センター、センター、センター+リア、リア | フロント、フロント+リア、リア |
コントロール・ノブ | 1Volume,2Tone | 2Volume,2Tone |
ネック材 | メイプル | マホガニー |
指板材 | メイプル/ローズウッド | ローズウッド |
ネックスケール | ロングスケール(648mm) | ミディアムスケール(628mm) |
ネックジョイント方法 | ボルトオン・ネック | セットネック |
ペグの配置 | 片側6連 | 両側3連 |
どちらを買うかで迷ったら、デザインや好きなアーティストが使っているなど、アナタの好きな方で大丈夫です。どちらもエレキギターの定番モデルなので、いずれは両方とも手にして弾いてみましょう。
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