- ジョン・フルシアンテ(John Frusciante)ってどんなギタリスト?
- 使用している機材について知りたい。
この記事では、上記の悩みや疑問を解決する内容になっています。
なぜなら、ジョン・フルシアンテの特徴や使用している機材について調べて分かった事を整理し分かり易くまとめたからです。この記事を書いているのは、ギター歴24年/ブロガーの筆者リュウです。
記事の前半で、ジョン・フルシアンテのこれまでの活動背景やプレイスタイルについてざっくりと解説し、後半で使用機材を紹介しています。入手困難な機材についてはわかる範囲で代替品についても紹介しています。
この記事を読むことで、ジョン・フルシアンテの事や使用している機材が直ぐに分かり、ジョンのサウンドに近づけたいときなどの参考として役立てられます。
ジョン・フルシアンテとは
ジョン・フルシアンテ(John Frusciante)とは、モンスターロックバンド「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(RED HOT CHILI PEPPERS)」のギタリストとして名声を上げ、その功績から「現代の3大ギタリスト」としてジョン・メイヤー、デレク・トラックスと並び賞賛されています。
ジョン・フルシアンテは、1988年にバンドに加入し大成功を収めたアルバム「ブラッド・シュガー・セックス・マジック」リリース後の急激な成功に対する葛藤が原因で1992年にバンドを脱退。ジャパンツアー中の急な脱退でジョンはその後、うつ病と薬物中毒に長く悩まされることになります。
当時「歯は抜け落ち、骨と皮だけ」という酷い状態で、薬物購入のため手持ちのギターやアンプを売ったり、ソロアルバムから得た収入をもドラッグに費やすほどでした。その後、専門機関や仲間の助けもあって長い闘病生活の末、薬物依存を完全に克服します。
1998年にバンドに復帰を果たし、3枚のオリジナルアルバム「カリフォルニケイション」「バイ・ザ・ウェイ」「ステイディアム・アーケイディアム」をリリースし数々の名曲を生み出した後、2009年に2度目の脱退をします。
この脱退は「自身の音楽の探求のため」としてジョンとバンド側、双方納得の上での円満な脱退でした。
そして、2019年12月にジョン・フルシアンテがバンドへ復帰することがバンドの公式インスタグラムにて発表され、2022年2月から続けて2曲の新曲がYouTubeにて配信されました!
レッチリのギタリストにはジョン・フルシアンテが一番しっくりきますね。安心感すら覚えます。脱退してから約10年経った現在、ソロアルバムもたくさんリリースしてサウンドや音楽的にどのように成長・変化があるのかなど、とても注目されています!
プレイスタイルについて
ジョン・フルシアンテは高い演奏技術や知識を持っていますが、テクニックを見せつけるようなプレイは好まず、2度と同じ演奏は聴けないようなフィーリング重視のプレイを信条としています。
叫ぶようなチョーキングや流麗なアルペジオ、切れ味するどいカッティングなどが特徴的ですね。
彼のプレイは時代によって違っていて、初期のころは逆にテクニカルなプレイが多く見られました。ギターもテクニカル系ギタリストに人気の高いアイバニーズのRGシリーズを使用していたくらいです。
サウンドについて
ジョン・フルシアンテのサウンドについては、フェンダー・ストラトキャスター+マーシャルアンプが基本となっています。もう少し詳しく見ていきましょう。
「枯れたギター」
ジョン・フルシアンテのサウンド(プレイとも言えますが)は「枯れたギター」と評されていて、何か切ない、胸が締めつけられるような独特なサウンドが特徴です。他にもワウを使ったファンキーなサウンドや透明感のある美しいクリーントーンも特徴的です。
また、敬愛するフランク・ザッパ氏の影響から、他のギタリストからは聴けないような実験的なサウンドも数多く聴くことが出来ます。
Marshal Silver Jubilee & Marshal Major 1967
ジョン・フルシアンテが使用しているマーシャルアンプは現在では入手困難な「Marshal Silver Jubilee(マーシャル・シルバージュビリー)※上記動画は復刻版」と「Marshal Major 1967(マーシャル・メジャー)」をステレオ出力しています。
「シルバー・ジュビリー」は、1987年にマーシャル社設立25周年と創設者ジム・マーシャルの音楽キャリア50周年を記念して発売された限定モデルでした。100Wと50Wで出力切り替えが可能で、ジョン・フルシアンテの他にガンズ・アンド・ローゼスのスラッシュも愛用していたギターアンプです。
現代に合うように回路の見直しや改善が施されたリイシューモデルが販売されています。
「マーシャル・メジャー」はロック・ミュージックが台頭した1970年頃、より大きな会場での演奏が増え、さらなる大音量が求められたことから開発された、出力200Wを誇るモデルです。
現在では入手困難なモデルですが、当時リッチー・ブラックモアと言ったレジェンド・ギタリスト達に使用されています。ジョンの使い方として「マーシャル・メジャー」で音圧を、「シルバー・ジュビリー」で高音域をカバーするのに使用しているようですね。
サウンドを再現したい場合、上記のリイシューモデルも良いですが、モデリングアンプ「MARSHALL / CODEシリーズ」ならリーズナブルな価格でコスパよくジュビリーサウンド(下記動画の8:15辺り)が得られます。
使用されているエレキギターについて
ジョン・フルシアンテの使用ギターとして、現在はメインとして1998年復帰の際にボーカルのアンソニーからプレゼントされたフェンダーの62年製、ヴィンテージストラトキャスターを使用しています。
他にもメイプル指板の55年製ストラトキャスター、テレキャスターカスタム、グレッチのホワイト・ファルコンを使用しているのが良く見られます。他にもフェンダー・ムスタング、ジャガー、デュオソニック、ギブソン・レスポール、ヤマハのSG2000、なども使用しています。
※ジョン・フルシアンテの使用ギターについては別記事で紹介します。
主にフェンダーのギターを使用しているようですが、初期のころは「Kramer Pacer Custom Ⅱ」や「Ibanez RGシリーズ」と言ったスーパーストラトを使用していました。当時、誰もが使っていたことからヴィンテージ志向へとシフトしたようです。
過去~現在まで使用されている3つのエフェクター
ジョン・フルシアンテと言えば、要塞のように組まれたエフェクターが特徴ですが、初期の頃から使い続けているエフェクターが3つあります。
Ibanez WH-10
Ibanez WH-10はワウペダルです。ワウの掛かり具合を調整できるのが特徴で、ジョンは初期型を使用していますが現在は第3世代の「WH10V3」が現行品となっています。アルミダイキャスト筐体となっていて頑丈で、重量は約815gと一般的なワウより少し軽めとなっているようです。
楽曲「By The Way」のカッティングはこのワウを踏み込んでプレしているようですね。ワウペダルと言えばクライベイビーやVOXが有名ですが、これも一度試してみたいですね。
BOSS TURBO Distortion DS-2
BOSS DS-2は、楽器屋さんに行けば必ずおいてある、ネットでも普通に手に入るノーマル/ターボモードが切り替え可能なディストーションペダルです。ジョンはギターソロ時に使用しており「枯れたギター」サウンドにも欠かせないエフェクターとなっています。
ジョンはターボモードで使用することが多いようです。ハードロック/メタル系のペダルかなと思ってたんですが、歪み下げてカッティングとかブースターとして使ってみたりすると面白いかもしれません。持っておいても良いですね。
BOSS / CE-1 Chorus Ensemble
BOSS CE-1 Chorus Ensembleは、国産エフェクターブランドのBOSSが開発した世界初のアナログコーラスエフェクターです。ジョン・フルシアンテのサウンドの核となっているエフェクターとして、プリアンプ内蔵で入力レベルを上げることによって、あの独特なクランチトーンが生まれています。
ローランド「JC-120」の回路をそのままペダル化したものなのでアンプ2台をステレオ出力することで、「JC-120」と同様の美しいコーラスサウンドが得られるようになっています。
40年以上前のエフェクターで、入手困難な上に出品されていても10万円近くすることがあります。代替品としてプリアンプは内蔵されてませんが、フルアナログ回路でCE-1のサウンドを再現したモードを持つ「CE-2W」が良いかも知れませんね。
BOSS CE-2W CHORUS WAZA-CRAFT コーラス エフェクター
その他の使用エフェクター
ジョン・フルシアンテが使用している上記以外のエフェクターを紹介し、動画を用いながら1つずつ特徴を解説していきます。基本的に生産完了品や入手困難なものが多いです。
Moog Moogerfooger MF-102
「Moogerfooger(モーガーフォーガー) MF-102」は、世界トップのシンセサイザーブランドMoog社が開発した「リングモジュレーター」です。
他ブランドのエフェクターでは聞けないような異次元のエフェクトが特徴的です。残念ながらMoogerfoogerシリーズは生産完了となっていて現在では入手困難となっています。
代用となるエフェクターもちょっと見当たらないですね。
Moog Moogerfooger MF-101
「Moog Moogerfooger MF-101」は、Moog社が開発した「ローパスフィルター」です。
どんなエフェクターかと言いますと、「オートワウ」に似た効果が得られるエフェクターなんですが、今まで聞いた事のないような独特なサウンドがします。エクスプレッションペダルを接続することでワウペダルのようにも使える代物です。
こちらも生産完了となっていて入手困難となっていますが、ジョンはこれを2台並べて使用しています。
Moog Moogerfooger MF-105MuRF
「Moog Moogerfooger MF-105MuRF」は、Moog社が開発した「マルチレゾナントフィルター」です。
名前を聞いただけではどんなエフェクターなのかさっぱり分からないと思いますが、フェイザーとトレモロとイコライザーが合体したようなエフェクターでしょうか。これでしか出せない独特なサウンドがあるようですね。
この後に紹介するMoog社製エフェクターは基本的に生産完了となっていて、復刻しようにも保有しているパーツが無くなった為に再発が出来ないようです。
Moog Moogerfooger MF-105B Bass MuRF
「Moog Moogerfooger MF-105B Bass MuRF」は、Moog社が開発したベース用の「マルチレゾナントフィルター」です。
効果については「MF-105MuRF」と同様ですが、帯域が違いますね。
そういえば、この音ってジョンフルシアンテのソロアルバム「Shadows Collide With People」の冒頭で流れてたなぁ。
Line 6 FM4 Filter Modeler
「Line 6 FM4 Filter Modeler」は、Line 6社が開発したアナログ回路による16種類のフィルター系エフェクトが内蔵されたマルチエフェクターです。
フランク・ザッパも使用しているようで、簡単な操作でかなり奇抜なエフェクトが得られるのが特徴です。こちらも生産完了となっています。そんなに高価ではないと思うので見つけたら買っておきましょう。
Guyatone VT-X vintage tremolo
「Guyatone VT-X vintage tremolo」は、ビザールギターでも有名な日本のブランド「グヤトーン」が開発したトレモロエフェクターです。
真空管を搭載していて、ヴィンテージ・アンプのようなアナログならではなトレモロサウンドが特徴です。これも入手困難で滅多に見かけませんね。
ジョン・フルシアンテの機材には、こういった昔の国産ヴィンテージ・エフェクターが何個か見られますね。なんか誇らしげな気持ちになれます。
Digitech PDS 1002 Digital Delay
「Digitech PDS 1002 Digital Delay」は、ワーミーペダルで有名なアメリカのエフェクターブランドDigitech(デジテック)が80年代に開発したデジタルディレイです。
音の不自然さはありますがローファイ特有の気持ちよさがあり、これでしか出せないサウンドがあるようですね。これも滅多に見かけません。
Electro Harmonix Deluxe Electric Mistres
「Electro Harmonix Deluxe Electric Mistres」は、エレクトロハーモニクス社が開発したフランジャーです。
フランジャーとコーラスが合体したようなエフェクターで、澄み切った美しいサウンドから「フィルターマトリックスモード」を使用することで揺れの無い金属音のような不思議なサウンドが得られます。
ジョンは弁当箱サイズの旧型モデルを使用しており、楽曲「Throw Away Your Television」にて、その特異な金属音が聞けます。
LINE6 DL4 Delay Modeler
「LINE6 DL4 Delay Modeler」は、HX STOMPやHelixで有名なLINE 6が開発したモデリングディレイです。
通称「グリーンボックス」と呼ばれ、往年の名機と呼ばれるテープエコーやアナログ/デジタルディレイ、リバースサウンドやタップテンポ機能にルーパー機能などを備えていて、色んなアーティストのエフェクトボードに見かける定番のディレイです。
MXR Micro Amp
「MXR micro amp」は、アメリカの老舗エフェクターブランド「MXR」から発売しているクリーンブースターです。
コントロールはGAINツマミのみという超シンプル設計で扱いやすく、クリーンブースターの定番モデルとして支持されています。
Electro Harmonix Big Muff
「Electro Harmonix Big Muff」は、エレクトロ・ハーモニクス社から発売しているファズです。
こちらもファズペダルとして定番のモデルで、設定によってディストーションサウンドも出せるので幅広い音楽に対応でき、これまで無数のギタリスト使用されています。
Mosrite FUZZ rite ’68 Silicon Transistor
「Mosrite FUZZ rite ’68 Silicon Transistor」は、60年代エレキブームの火付け役ベンチャーズの使用でおなじみのモズライト社が60年代に発売していたファズペダルです。
初めはゲルマニウム・トランジスタ仕様でしたが、後に安定性を考慮しシリコン・トランジスタに変更された経緯を持っています。ヴィンテージ中のヴィンテージなので滅多にお目に掛かれないペダルです。
そして、これを再現して開発されたのが「Catalinbread Fuzzrite」。
60年代のシリコントランジスタ期の回路を再現し、現代に合わせて小型化、アダプター駆動も出来るようになっています。
Electro-Harmonix Holy Grail Reverb
ELECTRO-HARMONIX Holy Grail Reverb リバーブ エフェクター
「Electro-Harmonix Holy Grail Reverb」は、エレクトロハーモニクス社が開発したリバーブエフェクターです。
サーフ・インスト・ミュージックの創始者ディック・デイルがスプリングリバーブとの区別が着かなかったデジタル・リバーブとしても有名です。ジョンは旧型のモデルを使用しているようですが、現行品はコンパクト化され扱いやすくなっています。
Moog Moogerfooger MF-103 12-Stage Phaser
「Moog Moogerfooger MF-103 12-Stage Phaser」は、Moog社が開発した2つのモジュラー機能とレゾナンス付き6/12ステージのフェイザーを搭載した「フェイザー」です。
一級品のフェイザーとして支持を得ており、インプットレベルとドライブコントロールを用いてのブースター的な使い方で極上クランチサウンドが得られたりと、フェイザー以外の使い方も出来る優秀なペダルです。
残念ながらこちらも生産完了となっています。
Moog Moogerfooger CP-251 Control Processor
「Moog Moogerfooger CP-251 Control Processor」は、moogerfoogerシリーズをコントロールし、サウンドの幅をさらに広げることの出来る制御電圧(CV)コントロール・プロセッサーです。
こちらも残念ながら生産完了となっています。
まとめ
最後にまとめておきます。
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今回紹介した機材以外にも使用しているものもありますが、ここで紹介したものを集めればジョンサウンドにかなり近づくことが出来ると思います。復帰後に使用機材が変わっていることも考えられますが、それはそれで楽しみにしておきましょう。
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