- トーカイってどんなメーカーなの?
- どんな特徴があるの?
- ラインナップについても知りたい。
- トーカイのレスポールって本家と比べてどう?
- トーカイのジャパンヴィンテージってどれのこと?
この記事は、上記の悩みや疑問を解決する内容になっています。
なぜなら、トーカイ・エレキギターの特徴や評価について調べたものを、ギター歴24年のブログ管理人・リュウが出来るだけわかりやすくまとめて紹介しているからです。
記事の前半で、トーカイの歴史や特徴、評価について紹介し、後半で現行ラインナップの紹介とトーカイのジャパン・ヴィンテージについて紹介しています。
この記事を読み終えると、トーカイのコピーモデルは本家を凌ぐほど精巧で、圧倒的な独自性を持つモデルがあって、もしかしたら国内最強の品質・技術を当時から持っていたかも知れないことが分かります。
効率よりも品質優先! 高精度コピーモデルに斬新モデルも!
Tokai(東海楽器)は品質最優先のモノづくりをモットーとしており【非効率生産主義】を掲げています。
Tokaiのレスポールのコピーモデル「Love Rock(LS)シリーズ」は、目隠しした状態で「これはギブソンのレスポールだよ」と渡されても全くわからないくらい高品質なものです。
東海楽器はよくある工場のような流れ作業ではなく、 工程を一つ一つ順番に進めていくスタイルで、1つの作業工程を複数人でこなし、その工程の作業をやり終えるとみんなで次の工程に移っていくという、他では見られない特殊なスタイルで作業を行っています。
これが高い品質を誇る理由になっているんです。
トーカイは斬新なオリジナルモデルも製造していて、GLAYのHISASHIが使用したことで有名になったアルミボディのエレキギター「TALBO(タルボ)」があります。
このTalboが初めて発表されたのが1983年で今から40年近く前になり、当時のことを考えると驚くような独自性・技術力ですね。
そしてTokaiには、特許技術「SEB構造」というボディに対して行われる技術があって、これを採用することで普通のボディよりも音の伝達が4倍も早くなります。
以上のことから、Tokaiは国内屈指の高品質なギターを製造するメーカーで、もしかたら日本最強の技術力を持っているかも知れません!
トーカイの歴史
東海楽器製造株式会社(Tokai)は静岡県浜松市にある日本の楽器メーカーが保有するブランドです。
東海楽器は1947年創業で、グレコやアリアプロ2などと並んで日本のギターシーンを作り上げてきた老舗ギターメーカーで、住宅地にひっそりと建つ意外にも小さな工場なんですよ。
誰でも知っている「ピアニカ」を1961年に開発・販売しており、その後にクラシックギターやアコースティック・ギターの生産・販売を行い、1971年にはアメリカで有名なアコギメーカー「マーティン」の日本国内向けOEM生産を結んでいます。
1977年からTokaiブランドによるエレキギターの生産・販売を始めます。
当時のエレキギター製造の背景として、本物を手にしたこともない・見たこともない状態でカタログなどから見よう見まねで製造していました。
その中で、東海楽器だけは「ガロ」というバンドのメンバーから本物のギブソン・レスポールを借りて、材質や寸法・仕様まで徹底的にコピーしており、高品質なコピーモデルを製造していました。
78年から生産・販売していたレスポールのコピーモデル「LSシリーズ」はそのお陰でクオリティはとても高く、現在でもジャパンヴィンテージとして人気があり高値で取引されています。
作りは良いのは結構なんですが、この時代にギブソンのレスポールと同仕様のものを作っていたら、生産コストが合わない訳です。販売価格も市場価格に合わせて売らなければダメでした。
しかも、そこまで精巧なレプリカは本家ギブソンやフェンダーからクレームを受けてしまいます。
GIBSON社からの販売差し止め、1982年に山野楽器と神田商会が共同出資を行いフジゲンが製造する「フェンダージャパン」の設立、83年に発表したアルミボディの「Talbo」も高コスト&斬新すぎて受け入れられずヒットには至りませんでした。
そんな中1984年に米国Fender社から「偽造品製造をしている」として訴訟を起こされます。
東海楽器は敗訴し裁判所命令により楽器が販売停止となり、そのため経営不振に陥り倒産します。
その後、1986年「東海楽器製造株式会社」と名を変え新しい会社を設立したトーカイは、苦難を乗り越え現在までハイクオリティなエレキギターを生み出し続けています。
1947年 | 浜松市寺島町にピアノとハーモニカの研究開発を目的として東海楽器研究所設立 |
1961年 | 「ピアニカ」の開発に成功、生産、販売を開始 |
1965年 | クラシックギターの生産、販売を開始 |
1968年 | 「ハミングバード」ブランドによるエレキギターの生産、販売を開始 |
1970年 | 「ハミングバード」ブランドによるアコースティックギターの生産、開始 |
1972年 | アメリカ、CFマーティン社との間に日本国内総代理店契約を結び輸入を開始、合わせて技術提携も結ぶ |
1973年 | バンジョー、チェンバロの生産、販売を開始 |
1975年 | アコースティックギターのNEWブランド「キャッツアイ」の生産、販売を開始 新しいタイプの打弦電気ピアノ「ライトピアノ」の開発に成功「ライトピアノ」の販売開始 |
1977年 | 「TOKAI」エレキギターSTシリーズの生産、販売を開始 |
1978年 | エレキギターLSシリーズの生産、販売を開始アップライトピアノの生産、販売を開始 |
1983年 | 世界初の新素材メタルボディ「TALBO」の開発に成功、生産、販売を開始 |
1984年 | フェンダー社から自社の偽造品製造をしているとして訴訟を起こされ、敗訴。裁判所命令により楽器が販売停止となり会社更生法申請。 |
1985年 | 新素材カーボンファイバーとファイバーグラスボディ、ネックを使用したエレキギター「MAT」の開発に成功、生産、販売を開始 |
1986年 | 東海楽器製造株式会社設立。 |
1996年 | 一時生産を中止していた「TALBO」の再生産を開始 |
2004年 | 「SOUND EFFECT BODY」構造のパテント出願 |
2005年 | 「SEBサウンドストリーム」シリーズの生産、販売開始 |
トーカイ・ギターの評価
トーカイのエレキギターは最初の方でも触れましたが、流れ作業ではなく、一つの工程を複数人で作業し、それが終わったらみんなで次の工程に移動して作業していくというスタイルで、非効率ではありますが、それだからできる最高の品質管理を実現しています。
中国生産による10万円以下の低価格帯であっても徹底した品質管理を行っており高いクオリティを誇っています。
国産のものは職人の手で1本1本丁寧に作られておりギブソンスタイルのコピーモデルは本家のものよりも優れているかも知れないほど高品質で人気が高く、数十年前に製造したものはジャパン・ヴィンテージとして高く評価されています。
「コピーモデルを作らせたら日本一」「本家を超えるほどの品質」などと言われていたこともあり、卓越した技術を持っていることが伺えますね。
他ブランドのOEM製作も請け負っており、シェクターなどを製造しています。過去にはフェンダー・ジャパンのギターも製造したこともあり、信頼性は確かなものがありますね。
トーカイは日本の老舗ギターメーカーの中でも、最強の品質・技術を持っているかも知れません。
トーカイ・ギターの特徴
世界初のアルミボディ・エレキギター「Talbo」の開発やカーボン・ファイバー製ギター「MAT」や、本家から訴訟を起こされるほど精巧に出来たコピーモデルがあり、独自性の高いものや本家に勝るほどのコピーモデルを作るといった特徴があります。
あと、特許取得している特殊なボディ構造「SEB構造(SOUND EFFECT BODY)」のエレキギターを作っているのも特徴の一つです。
SEB構造
ギターの繊維方向を横ではなく縦にして張り合わせることで、音の伝達率が通常の4倍になり、サウンドも通常のものとは異なり高音域が良く出るようになる印象です。
上記の動画で通常ボディとSEB構造のギターを弾き比べしていますから、その違いをぜひ聞いてみてくださいね。
トーカイ・ギターのラインナップ
トーカイの現行ラインナップを紹介していきます。
タルボシリーズ
1983年に世界初のアルミボディのエレキギターとしてデビューしましたが、当時は斬新すぎてヒットに至らなかったことと生産コストの問題により一度は生産をやめましたが、90年代にGLAYのHISASHIが愛用していることから人気が出て、1996年に再生産されています。
アルミボディというのは機能的にも優れていて、ローノイズでよりクリアで煌びやかなサウンドが得られるというメリットがあります。
SEBモデル
※下記動画はレスポールジュニア/スペシャルタイプのSEB構造と通常ボディの弾き比べから再生します。
SEB構造という特許取得された技術により製作されているシリーズで通常のものより音のレスポンスが良くサウンドも違ったものになっています。
この構造のエレキギターはトーカイのギターだけです!LSS145SEB
プレミアムシリーズ
トーカイのギブソン系コピーモデル最上級シリーズです。
国内で徹底管理の元、熟練の職人が1本ずつ手作業で作っていくので大量生産は出来ませんが、安定したクオリティが約束され品質にバラつきがありません。その精巧さはボディとネックの接合部分を接着剤なしで持ち上げても外れないほどの精度を誇っています。
海外のミュージシャンからもとても人気が高く、完璧な国産レスポールと言っても過言ではありません。
ヴィンテージシリーズ
王道モデルであるFenderのストラトキャスターやテレキャスター 、GibsonのレスポールやES-335のようなコピーモデルが日本のクラフトマンの手で国内生産されているのに、その殆どが10万円代で買えるという高品質・高コスパなシリーズ。
1本と言わず2~3本は持っておきたいですね。
コンテンポラリーシリーズ
伝統的なモデルに現代的な要素をミックスしたシリーズです。
上記の動画にあるようなアーム付きのテレキャスやマホガニーボディのストラトなどもラインナップされていて、トーカイの独自性が発揮されています。
アーム付きのテレキャス欲しすぎますね!
トラディショナルシリーズ
中国生産による廉価版シリーズです。高い基準での品質管理を行っているためクオリティは高いです。
入門用やサブギターにおすすめです。
トーカイのジャパンヴィンテージ
1978~1982年の間に東海楽器で製造されたST・TE・LPのコピーモデルが40年ほど経過した現在でも人気があり、「ジャパン・ヴィンテージ」と呼ばれていて海外でも人気があります。
特にLes Paulタイプの上位機種は人気が高く、かなりの高値で取引されています。
種類はSTタイプだと「SILVER STAR、GOLD STAR、SPRINGY SOUND」の3モデルで、ジョンメイヤーも所有しているようです。TEタイプでは「breeyzy sound」レスポールタイプは現在と同じで「LSシリーズ」です。
オーダーシステム
トーカイでは現行モデルを元に、直販サイトにてハードウェアやカラーなどを自分好みにカスタムできるシステムです。
ボディシェイプはオーダーできませんが、トーカイのギターが好きで、出来るだけ作りの良くオリジナル仕様のトーカイ・ギターが欲しいなら一度チェックしてみてください。
まとめ
今回の記事をまとめますと、
|
やはり国産というのは不思議と安心できます。国産ギターが欲しいと思ったら、もしかしたら国内最強の品質・技術を持つトーカイ・ギターを選ぶのが最高のミニマル・チョイスかも知れませんね。
Tokai AST126 sakura SKR/R《エレキギター》
スポンサーリンク
コメント